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第3章 絶家供養

絶家の場合の仏壇と位牌の処理方法

 本家供養においても傍系供養でも仏壇はふた家族分は預かることが出来ません。基本的に仏壇は浄火によって燃やす「御焚き上げ」行います。このお焚き上げは、今までお守りいただいたご先祖様に感謝の心を捧げ、改めて祈念する神事であり、我々日本人が永年やしなってきた風習のひとつです。
 位牌は菩提寺や関係の寺院で永代供養をお願いするのが良いでしょう。その際、位牌をそのまま預かる寺院もあれば瑞専寺ではオリジナルの位牌に祀りかえ供養します。


絶家の場合の仏壇と位牌の処理方法
夫婦に子供がない場合
1 養子を迎え家系を継承する

相続者(子供)が無いといっても、現在夫婦または片方が健在の場合 継承者(養子)をとる努力をすることです。ただしここでいう養子とは、この家に入り必ず生活を共にするという意味でなく、夫婦が亡き後に、お墓、仏壇、家屋敷などを相続し、継承してくれる者と解釈してくれればよいでしょう。 わざわざ、養子にして入籍しなくても面倒は見るからいいのではという人がいますが、養子入籍はその家の接木をし、若返りをするという意味になります。

2 継承者がなく、絶家となる場合(直系供養)
  • イ. 夫婦が健在の場合
    • 生前墓(五輪塔)を建立し祀り、戒名をいただく。この場合赤字にて戒名を刻み、死後黒字に変える。後に残った人は自分の死後を親戚、知人に事後を託します。
  • ロ. 夫婦一方が残された場合
    • 死者は五輪塔を建立し祀る。残されたものは、自分の葬儀、納骨、法事などのことを知人、親戚に託す。
    • 依頼された人は数年墓参りをして供養、その後は寺に永代供養を依頼する。
      一人での老後の生活のこともあり、お墓を建立し供養することが財政的に無理な場合は、寺での永代供養を考えてください。

子供が娘だけで、他家へと嫁いだ場合
〈養子を迎え家系を継承する〉
  • イ. 嫁いだ先の婿が二男以下の場合は、いったん嫁がせた娘さんを婿ともどもリターン入籍してもらう方法。つまり養子に入ってもらうケースです。
  • ロ. イのケースが難しい場合は娘が生んだ子供、つまり長男以外の子供(孫)を養子として迎い入れる努力をしてください。

〈絶家となってしまう場合〉

2の継承者がなく、絶家となってしまう場合のケースを参照ください。ただし娘達は里(実両親)の傍系供養をしなければなりません。

娘と息子がいるが、娘は嫁ぎ息子は両親に内緒で 他家へ養子に入った場合

この場合は息子が養子に入った理由を追求し、解決するように早めに手を打つ必要があります。 しかし、息子が復籍する気がない場合は、娘と話し合い、前記の1のケースに準じて養子を迎える努力をしてください。

両親は死亡、子供は未婚のまま高齢で跡を継ぐ者 がいない場合

子供がまだ結婚する気があれば、多少は希望もあります。しかし、障害者で結婚不可能な場合や結婚の意志がない場合は絶家を覚悟しなければならないでしょう。 独身で一生を過ごすにしても、必ずご先祖を祀り不徳を解消していくべきで、五輪塔を建立して先祖を含め代々の先祖の戒名を刻み永代供養を管理墓地にお願いしておきましょう。

既に絶家になっている実家の供養

この場合は、分家した男子か、嫁いだ娘が供養することになります。墓があればせめて三回忌まではお墓を維持しお墓参りをしましょう。
その後は墓石を撤去し、戒名の書かれている竿石は慰霊塔で合祀します
(傍系供養)。墓が無い場合はお寺で位牌供養をします。瑞専寺では紙(卒塔婆)供養を行っています。
その他いろいろなケースは第4章を参照ください。


絶家によるお墓の祀り方の一例

続く

御焚き上げ
魂をお経によって弔い、焚き上げて天に返してあげるための行事です。 仏壇や古くなった寺社からの授与品やお人形など霊魂の宿ったものを焚くのが御焚き上です。
卒塔婆
塔婆(とうば)ともいい、仏舎利を安置したり、供養・報恩をしたりするための建造物。日本では、死者の供養のため、墓石の後ろに建てる細長い板をいう。
注意:
養子をとる場合、時間的余裕があればあまり本人が幼時のときに決めないことです。養子になった人がある程度自分で判断がつく年頃で納得し、養子に行かないと成人してからトラブルが起きる場合があります。
注意:
親や養子ではないのですが、遺産相続を受けた場合は絶家した家の永代供養をお寺に依頼してください。遺産だけ受け取って供養しないと、遺産を食い潰すばかりか、借金までするようになります。
注意:
妻方の先祖の仏壇、主人方の先祖の仏壇二つを家に置いて祀るわけにはいきません。 絶家した家の仏壇を祀るということは、枯れたものを家に置いて拝んでいると、結局はその家も枯れて、絶家する運命をになってしまいます。 この場合は、里の両親は傍系供養で寺にて永代供養をします。
注意:
夫が養子になったために夫の里方が絶家になってしまうケースがあります。そのまま放置しておくと、不思議に夫婦間の間に溝ができたり、家庭問題が起きたりします。この場合は、夫の先祖の戸籍謄本を取り寄せ先祖に問題が無かったかを調査し、ねんごろに祀ることが必要です。